世界有数の新聞である Washington Post(ワシントン・ポスト) が、気候変動教育のワークショップを特集しました。今月初めに掲載された記事「Climate-curious but confused? Grab a beer and some cards.(気候変動に興味はあるけれど混乱している?ビールとカードを手に取ってみよう)」では、世界各地で人々が「クライメート・フレスク(Climate Fresk)」を通して気候変動の科学を学んでいる様子が紹介されています。
記事の舞台は、アメリカ・クリーブランドのカフェやケニア・ナイロビの庭園。そこでは学生やアーティスト、牧師や会社員など、さまざまな人々が一緒にカードを並べ、気候変動の仕組みを理解しようとしていました。

クライメート・フレスク(Climate Fresk)は、2015年にフランスで誕生した参加型ワークショップです。
気候変動に関する国連機関「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」の最新報告書をもとに、42枚のカードを使って原因と結果、フィードバックループをチームで整理していきます。
科学的データをわかりやすく「可視化」することで、気候変動の全体像を直感的に理解できるのが特徴です。
現在ではこのワークショップが50の言語に翻訳され、世界157か国で200万人以上が参加しています。
学校や企業、省庁、刑務所など、場所を問わず開催されており、ワシントン・ポストの記事では、気候変動への理解が分かれるアメリカでも広がりつつある様子が紹介されました。
「背景の異なる人たちが同じ部屋で話し合うこと。それだけで社会を前に進める力がある」
― 米オハイオ州のファシリテーターのコメントより
誤情報や分断が広がる時代において、クライメート・フレスクは科学的根拠に基づき、対話を通じて学ぶための中立的な場を提供しています。
フランスから日本へ:科学と共感でつながる共通言語
いちごブルーム(Ichigo Bloom)は、この世界的ムーブメントの一員として、日本各地でクライメート・フレスクを実施しています。2023年以降、私たちは学校、企業、市民団体など500名以上の参加者とともに、このワークショップを体験してきました。また、在日米国商工会議所(ACCJ)をはじめ、米国系の企業・NPOなどアメリカ関連のコミュニティとも協働し、セッションを開催しています。
日本での参加者の反応は、記事に描かれている世界各地の様子と同じです。
「気候変動の全体像がつながった」「チームで話し合うことで新しい発見があった」などの声が多く寄せられています。
クライメート・フレスクは、東京でも、クリーブランドでも、ナイロビでも、同じように人々の理解と共感を生み出しています。
なぜこのワークショップが重要なのか
気候変動の科学を「ゲーム」として体験することで、誰もが楽しく、分かりやすく学ぶことができます。
そして複数人でプレイすることで、共感や協力の土台が生まれ、変化を起こす力につながります。
私たちは、クライメート・フレスクのようなツールこそが、気候変動に対する無関心や誤情報に立ち向かい、科学的リテラシーを取り戻す鍵だと考えています。
今回のワシントン・ポストの記事は、その影響力の広がりを示すひとつのサインです。
それは、世界がいま新しい形の気候教育――人と人をつなぐ学び――を求めているということでもあります。
まだ体験したことがない方は、ぜひ次回のクライメート・フレスクにご参加ください。

いちごブルームは、気候変動と生物多様性のコラボレーション・ワークショップ「クライメートフレスク」や「バイオダイバーシティコラージュ」を開催し、組織内の意識向上と変革のきっかけを提供しています。




